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2021年2月

2021年2月16日 (火)

新しいCD「春秋の陽炎」(しゅんじゅうのかげろう)が完成しました!

 

Syj
 ギター独奏としては10年振りとなるCDが完成しました。
販売ページはこちらです。
今作は私にとって長年の念願だったのですが、日本各地に伝わる民謡をテーマにしています。
アイルランド、イギリスの民謡を専門にした音楽活動を行ってきましたが、並行して
日本の民謡についても探求をしてきました。
日本の民謡に関心を持つようになったきっかけは幾つもあるのですが、私にとって最も大きな
出来事は2002年に日英交流のイベントでイギリスのスワンジー市にあるホールで演奏させて
頂いたときのことです。
 当時の日本では、イギリス周辺の民謡をギターのために編曲して演奏することはまだ珍しく
現地の新聞などでもとても好意的に紹介して頂きましたが、その時にイギリスの方々に
ご紹介できる日本の音楽が、自分のレパートリーに殆ど無いことがとても残念に感じられたのです。
その後、日本の民謡をギターのために編曲しようと模索を続けてきましたが、なかなか
上手くいかず、しっくりとくるものが出来ませんでした。
資料を収集し、遠回りにも思えましたが、まず三味線で弾いてみてそれぞれの曲を自分のなかに
しっかり取り込んで・・・と試行錯誤を重ねましたが、いざギターに置き換えると、ダメでした。
不自然すぎて、弾き続ける気になれませんでした。
気に入って20年もライブで弾き続けているアイルランド民謡があるのに・・・
アイリッシュやブルースなどのルーツミュージックに惹かれてレパートリーに出来ているのに
なぜ、自分に最も近いはずのルーツミュージックが上手く演奏出来ないのか、なかなか答えが
見つかりませんでした。
 そんな中、アコースティックギター・マガジンで日本民謡の特集を執筆する機会を頂きまして、読者の方々から
頂いた感想が大いに励みになり、少し可能性が見えたように感じました。
なんとしても、日本民謡をギター音楽としてCDにしようと、決意を新たにしたところで
考えたのが、農村への移住です。
農村に住み、農業をやれば、その風土になじんで、自然と出来るようになるのではないかと思い
2014年に宮崎に移住して、農業を始めました。
 職業的に農業をしないと深いところまで感じ取ることができないように思えて、地元の農家が
取り組んでいるサツマイモ栽培に明け暮れました。
農家のみんなと一緒に働き、焼酎を飲んで、夏祭りでギターや
三味線を弾くようになって、だいぶん馴染んできたなあ、と感じるころには、結構な
年月が過ぎていましたが、一昨年あたりから急に、もりもりとアイデアが出始めました。
昨年は新型コロナの感染が拡大して、イベントの開催も難しくなるなかで演奏活動も止まりましたので
農作業と民謡の編曲に没頭する日々を送りました。
本当に不思議なくらいに、どんどん編曲が進み、弾いていて心からしっくりくるものが出来て
今までに経験したことが無いような充実した創作期間になりました。
 そして、いよいよCDの録音に入ろうという時期に、さらに背中を押してくれる、良い出会いがありました。
長年アメリカで活躍されて現在は故郷、宮崎の自然をテーマに活動をされている写真家の黒木一明さんと
偶然お会いして、意気投合ののち、今回のCDに協力してもらえることになりました。
実は、私は10年前に黒木さんの写真展で、写真集を買ったことがありましたので本当に不思議なご縁ですが
今回のCDのジャケットに20ページにわたり数々の美しい写真を提供して頂くことができ、小さな
写真集が添えられたような作品になりました。ジャケットの表紙は宮崎の都井岬の風景です。
 また日本民謡ということで、海外の知人も関心を持ってくれていまして、海外の方に聴いて
頂ける場合のことも考えて、解説文を日本語と英語の両方で掲載しました。
その英訳も学生時代からの親しい友人が、私の思いを深く汲み取って、やってくれました。
 今回のCDは長年に渡って構想していたものであるだけに、振り返ると沢山の有難いご縁があって
感謝の気持ちでいっぱいです。
音楽活動を応援してくださった方々、素人の私に一生懸命、農業を教えてくれた農家のみなさん、
多くの方々のおかげで完成させることが出来ました。
人の繋がりというものは、有難いものだとつくづくと感じています。
民謡の旋律からも、遥かな歳月にわたり互いを励ましあい、慈しんできた人々の心の
いろどりが、ひしひしと感じられます。
そういったことをこのCDでお伝えできれば、心より嬉しく思います。
3月1日の発売になりますので、どうぞ宜しくお願い致します!

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